イオンカードは、スーパーの「イオン」「ダイエー」、ショッピングモールの「イオンモール」などを運営するイオングループが発行するクレジットカードです。
現在、イオンカードは50種類以上のクレジットカードを発行していますが、今回は交通系IC機能付きのイオンカード「イオンSuicaカード・イオンカード Kitaca・イオンSUGOCAカード」の3つを徹底比較し、その特徴とメリット・デメリットをまとめてみましょう。
もちろん、おすすめの1枚もご案内しますね。
交通系IC機能付きイオンカード
交通系IC機能(交通系ICカード)についての基礎知識
交通系IC機能(交通系ICカード)についての基礎知識
交通系IC機能付きイオンカードについて触れる前に、まず最初に「交通系ICカード」について確認しておきましょう。
「ICカード」とは、その名の通り「ICチップ」(情報の記録や演算を行う集積回路)を埋め込んだカードのこと。
クレジットカードには爪の先ほどのサイズの金色のチップが埋め込まれているものがありますが、この金属のチップがICチップです。そしてICチップが表面に出ているものを「接触型ICカード」といいます。
SuicaのようにICチップが表面に出ておらず、カードの中に埋め込まれているものもあります。このようなものは「非接触型ICカード」といいます。
交通系IC機能付きイオンカード
交通系ICカードはあらかじめ現金をチャージする「プリペイド」カード
そして交通系ICカードとは、鉄道会社などが発行するICチップが埋め込まれたカードのことです。
具体的には、JR東日本の「Suica」、JR北海道の「Kitaca」、JR九州の「SUGOCA」、複数の鉄道事業者・バス事業者が共同出資して設立した株式会社パスモが発行する「PASMO」など、日本全国で様々なものが発行されています。
これら交通系ICカードは、あらかじめ現金をチャージした上でカードを対応改札機にかざすと、チャージ分から自動的に運賃が引き落とされ、電車・バスなどの交通機関を利用することができます。
またそれぞれの交通系ICカードと提携しているお店では、買い物をすることもできます。駅の売店や駅ビルはもちろん、街中のコンビニやスーパー、ファミレスなどでSuicaを使って買い物や食事ができるのは、多くの人がご存じの通りです。
交通系IC機能付きイオンカード
交通系ICカードとクレジットカードが合体したものも
そしてクレジットカードの中には、交通系ICカードと合体しているものがあります。
このようなクレジットカードは、クレジットカード機能に加えて、交通系ICカードとしての機能も備えており、1枚で2役を果たします。
そして、今回ご紹介するイオンSuicaカード・イオンカード Kitaca・イオンSUGOCAカードは、そういった交通系IC機能付きのクレジットカードの一つで、見た目はイオンカードというクレジットカードでありながら、Suica・Kitaca・SUGOCAといった交通系ICカードと同等の交通系IC機能が付加されています。
イオンカードとして普段使いできる上に、Suica・Kitaca・SUGOCAとしても使えるというのが、交通系IC機能付きイオンカードの最大のメリットといえるでしょう。
交通系IC機能付きイオンカードは3種類
イオンカードの中に交通系IC機能が付いているものは、以下の3つです。
- イオンSuicaカード
- イオンカード Kitaca
- イオンSUGOCAカード
イオンカードの公式サイトをみると、上記3つの他に交通系IC機能付きのカードとして「JQ SUGOCA」と「JMB JQ SUGOCA」が掲載されていますが、これらはイオンクレジットサービスが発行しているものの、イオンカードとしての基本機能を備えていません(イオンカードとしては使えない)。
そのため今回は、イオンカードとしての基本機能も備えるイオンSuicaカード・イオンカード Kitaca・イオンSUGOCAカードの3つに絞って、詳しく見ていきます。
交通系IC機能付きイオンカード
どのカードを選ぶべき?
交通系IC機能付きのイオンカードが欲しいと思った場合、どのカードを選ぶべきか迷うと思います。
多くの人が、自分の住んでいる場所で営業している鉄道会社、つまり関東地方の人ならSuicaを、北海道の人ならKitacaを、九州の人ならSUGOCAを選ぶのではないでしょうか。
これはこれで正解なのですが、実はJR各社が発行している交通系ICカードは基本的に互換性があり、相互に使うことができます。
SuicaはKitacaやSUGOCAが使えるエリアでも使えますし、KitacaやSUGOCAも同様。また、3つともJR西日本の「ICOCA」が使えるエリアや、JR東海の「TOICA」が使えるエリアなどでも使えたりするのです。
つまり「電車に乗る場合はエリアを跨いで使えない場合もある」といった注意点はあるものの、必ずしも住んでいる場所で営業している鉄道会社が発行しているIC機能がついたイオンカードを選ぶ必要はありません。
関東に住んでいる人がイオンカード Kitacaを使っても、九州に住んでいる人がイオンSuicaカードを使ってもOKなのです。
交通系IC機能付きイオンカード
最もおすすめなのはイオンSuicaカード
最もおすすめなのはイオンSuicaカード
3つの交通系IC機能付きイオンカードは、どこに住んでいる人がどのイオンカードを作ってもOKなのですが、断トツでおすすめなのは「イオンSuicaカード」です。
交通系IC機能付きイオンカードの中でイオンSuicaカードが最もおすすめな理由を挙げてみると、
- 国際ブランドが選択できる
- モバイルSuicaが使える
- オートチャージ機能を備えている
- 海外旅行傷害保険が自動付帯する
以下に詳しく見ていきましょう。
イオンSuicaカード
国際ブランドが選択できる
イオンカードには国際ブランドを付加することができますが、付加できる国際ブランドはカードによって多少異なります。
イオンSuicaカードは VISA・Mastercard・JCB の3つの中から1つを選んで利用できます。
しかし、イオンカード KitacaとイオンSUGOCAカードは VISA しか選べません。
国際ブランドはVISAを付加しておくのが無難ではありますが、Mastercard や JCB にこだわりがある人にとっては、イオンSuicaカードの国際ブランドの選択肢が多いのはうれしいポイントです。
イオンSuicaカード
モバイルSuicaが使える
今回取り上げる3つの交通系IC機能付きイオンカードのうち、交通系IC機能をスマホアプリに設定して使うことができるのはイオンSuicaカードだけ。
キャッシュレス決済をスマホに集約させたいという人は多いと思いますが、その場合は「イオンSuicaカード」一択です。
イオンSuicaカード
オートチャージ機能を備えている
オートチャージ機能とは、交通系ICカードのチャージ残高があらかじめ設定した金額以下になった場合に、自動的にクレジットカードからチャージしてくれる機能のこと。
今回取り上げる3つの交通系IC機能付きイオンカードのうち、イオンSuicaカードとイオンSUGOCAカードはオートチャージに対応しています。
交通系ICカードの残高不足は、電車の改札口やバスの降車時に発覚すると後ろに続く人に迷惑をかけたり、恥ずかしい思いをしてしまいます。こういった事態を防げるオートチャージ機能は、あると便利ですよね。
イオンSuicaカード
海外旅行傷害保険が自動付帯する
海外旅行傷害保険とは、海外旅行で現地で病気になったりケガを負ったりした際の治療代や、不幸にも後遺障害が残ってしまったり亡くなってしまったりした場合に対応する保険のことです。
今回紹介する交通系IC機能付きイオンカードのうち、海外旅行障害保険が付帯するのはイオンSuicaカードだけ。
しかも特筆すべきは、イオンSuicaカードに付帯する海外旅行傷害保険は「自動付帯」であるという点です。
自動付帯とは、海外に出掛ける際には特に申し込みの必要などなく、自動的に保険がセットされるものを指します。
自動付帯の他には「利用付帯」というものもありますが、これは旅行のツアー代金や飛行機チケット料金などをそのクレジットカードを使って支払っている必要があります。
つまり自動付帯となっているイオンSuicaカードは「使い勝手がよい」ということ。
なおイオンSuicaカードは国内旅行傷害保険も付帯しますが、こちらは自動付帯ではなく利用付帯となります。しかし国内旅行であれば、疾病やケガの場合は健康保険証が使えるので、利用付帯であってもそれほど大きな問題はないでしょう。
交通系IC機能付きイオンカード
3つのカードの基本機能
3つのカードの基本機能
イオンSuicaカード・イオンカード Kitaca・イオンSUGOCAカードは、大前提として「イオンカード」。
そのため、イオンカードとしての基本機能は3つのカードとも備えています。
一応、イオンカードの基本機能を簡単にまとめておきましょう。
交通系IC機能付きイオンカード
イオンカードの基本機能
項目 | 内容 |
---|---|
年会費 | 無料 |
ブランド | イオンSuicaカード:VISA・Mastercard・JCB イオンカード Kitaca:VISA イオンカードSUGOCAカード:VISA |
貯まるポイント | WAON POINT |
ポイント還元率 | 0.5~1.0% |
追加可能カード | ETCカード(無料) |
付帯保険 | ショッピングセーフティ保険(年間50万円)・クレジットカード盗難補償(全額) |
3つのカードともイオンカードとしての基本機能はほぼ共通ですが、唯一異なるのが前述した「付加できる国際ブランド」です。
交通系IC機能付きイオンカードに共通する点としては、イオン銀行のキャッシュカード機能や、電子マネーWAON機能を付加することはできません。また、ETCカードは追加発行できるものの、家族カードは追加発行できません。
これは交通系IC機能付きイオンカードのデメリットといえるかもしれません。
ただしイオンSuicaカードのみ「WAONカードプラス」という、イオンカードに紐づいたWAONカードを別途作ることができます。
これにはオートチャージ機能がついており、チャージ残高があらかじめ設定した金額以下になった場合に、自動的にクレジットカードからチャージしてくれるので、“WAON機能付きイオンカード”として使うこともできて便利です。
交通系IC機能付きイオンカード
イオンカードのその他の特典
イオンSuicaカード・イオンカード Kitaca・イオンSUGOCAカードを含むイオンカードには、以下の特典があります。
- 通常、200円利用ごとに1円分のポイントが貯まる
- イオングループ対象店舗は200円利用ごとに2円分のポイントが貯まる
- 毎月10日はイオングループ対象店舗以外でも200円で2円分のポイントが貯まる
- 毎月20日・30日の「お客様感謝デー」は全国のイオン系列のお店で買い物代金が5%オフになる
- 「イオンシネマ」で映画がいつでも300円割引で見られる
イオンカードは、200円(税込)ごとに1円分のポイント(WAON POINT)が還元されます。つまりポイント還元率は0.5%。
これはクレジットカードのポイント還元率としてはごく一般的なものですが、イオン系列のお店で利用すると、ポイント還元率は2倍の1%にアップ!
他にも毎月20日・30日の「お客様感謝デー」は、全国のイオン、マックスバリュ、サンデー、ビブレ、ザ・ビッグなどの店舗でカード決済をするとお買い物代金が5%オフになったり、55歳以上の利用者は毎月5日の「G.G感謝デー」のカード決済分が請求時に5%オフになったりと、イオン系列のお店ではイオンカードは欠かせません。
そして意外に見逃せないのが、イオン系列の映画館「イオンシネマ」での300円割引。イオンシネマは全国に94館を展開する日本最大の映画館ですので、イオンシネマで映画を見るという人にもおすすめです。
もちろん、イオンSuicaカード・イオンカード Kitaca・イオンSUGOCAカードでも、これらの特典は利用可能ですよ。
交通系ICカード付きイオンカードを徹底比較:まとめ
以上、交通系IC機能付きイオンカード3つを比較し、特徴やメリット・デメリットを紹介しました。
イオングループの店舗をよく使う方にピッタリの交通系IC機能付きイオンカード「イオンSuicaカード・イオンカード Kitaca・イオンSUGOCAカード」ですが、どれか1枚を選ぶなら、モバイルSuicaが使える点と、海外旅行傷害保険が自動付帯する点で「イオンSuicaカード」が断然おすすめです。
SuicaはJR東日本管内に限らず全国の交通機関や店舗で使え、使い勝手の面でも申し分なし!なので、悩んだらイオンSuicaカードを選んでおきましょう。
他のイオンカードをお持ちの方は?
お持ちのイオンカードからイオンSuicaカードへの切り替えはできません。
イオンカードは複数枚持っていても大丈夫なカードで年会費無料なので、イオンSuicaカードを新規発行しましょう。